落合一泰先生最終講義
大学院時代の心の師匠、落合一泰先生の最終講義と懇親会に
一橋大学佐野書院に行ってきました。
数週間前にニューヨークにいる後輩から連絡をもらった時は、
落合先生がこの春で退官されると聞いて、すごくビックリしました。
先生がもうそんなお年だとは思ってもいなかったというか、
先生に「退官」なんて言葉が似合わないというか。
これは久しぶりに先生の講義を聞くかなり貴重なチャンスというか、
この機を逃したらしばらく先生にお会いできないのではないかと思い、
仕事を調整して行ってきました。
「そういうのは大切にしなきゃダメだよ」と後押ししてくれた仕事仲間に心より感謝!
少し遅れて会場に入ると、中は満員御礼で立ち見でびっしり。
暑いくらいの会場の片隅で私も立って聞いていたのですが、
「征服とは何か? メキシコの不条理と人類学」というタイトルの講義に
ほどなく引き込まれていきました。
私自身はメキシコは専門ではなく全然詳しくないのですが、
そこを通して先生が語られる普遍的な世界観、フィールドに立つ者としての
思いや考え、先生の人間性、そして言葉の数々を聞きながら、
そうそう、これが落合先生の魅力だよな~と感じいっていました。
文化と文化の出会い、衝突、融合、それを見る自分のレンズを
ミクロにもマクロにも調整する大切さ、そうしたのを学べたことは、
私が通訳者という職業を続ける上で非常にプラスになったと思います。
そして何より、先生には学問の楽しさ―‐「知らなかった」ことを知り、
考えることの楽しさを教えてもらいました。
ものすごく楽しそうに研究について語る先生を見て、
学問って楽しいものなんだと知り、そして自分も「一番関心があること」
「面白いと思うこと」をとにかくやっていこうと思わせて下さいました。
「最終講義」とはいえ、私が学生だった時から、見た目も、
そして静かで穏やかな語り口の中から「熱さ」がにじみ出てくるのも
全然お変わりなく、先生のエネルギーのこもった講義に
自分の根幹を改めて揺さぶられるような感じがしました。
そして講義後の懇親会で、先生の教え子達が先生の思い出を話すのを聞き、
先生はどの学生に対しても、変わらずぶれることなく同じように
自分の情熱でずーっと向き合ってきたのだなと思いました。
地元に帰ってきて、飲み屋で杯を傾けながら、
「どうだった?」と聞く相方に最終講義のことを説明していると、
なぜか目がうるんできました。
自分は自分の人生で何がしたいのか、何を残したいのか、
まだまだやれることはあるのにどこまでやれているのかを考えさせられ、
なんか麻痺していた部分を揺り動かされたというか。
落合先生の下で学べたこと、そして今回最終講義に行けたことは
自分の人生にとって本当に大きなことでした。
先生、本当にどうもありがとうございました!!
Recent Comments